2026年9月18日星期五

馬革の変化を楽しむクロムハーツ限定作

 レザーウェアの面白さは、新品の状態だけでは判断しきれない。着用を重ねるうちに革が柔らかくなり、表面の艶が深まり、所有者の動きに合わせた皺が刻まれていくからだ。クロムハーツ(CHROME HEARTS)がドーバー ストリート マーケット ギンザで展開したDSMGエクスクルーシブは、そうした時間の変化を楽しみたくなる3つの定番モデルで構成されていた。発売は2017年1月14日(土)。ライダース2型とレザーベスト1型を、通常店舗では販売されないプレーンブラックで仕上げている。



長く続く形に限定色を重ねる

今回のラインナップで特徴的なのは、新しい型を作ったのではなく、クロムハーツで長年展開されてきたロングセラーへ限定仕様を加えたことだ。

選ばれたのは「BASIC MOTO VJ」「JJ DEAN VJ」「BASIC VEST 6 BUTTON ZIPPER TYPE」。3型すべてを黒一色へ統一することで、モデルごとの形やパーツ配置がそのまま個性として現れる。

ブラックという色自体はベーシックだが、通常のクロムハーツ店舗では扱われないプレーン仕様であることが今回の特別性につながっている。色を増やさないからこそ、革の面、金具、縫製、切り替えといった細部へ意識が向かう。

BASIC MOTO VJは線をすっきり見せる

「BASIC MOTO VJ」はウエストベルトを省いたダブルライダース。ライダース特有の力強い上半身を残しつつ、腰周りを整理することで、比較的すっきりした印象を作っている。

DSMG限定モデルでは、アジア人の体型を考慮したパターン調整も行われた。見た目を黒へ変更するだけではなく、着用時のバランスにまで手が加えられている。

ベルトがないことでジャケットの縦方向の流れが分断されにくく、馬革の大きな面が自然と目に入る。装飾を増やさず、ダブルライダースの構造そのものを見せたい人にとって、この簡潔さは大きな魅力だ。

価格は962,000円+税で、S、M、Lの3サイズ。

JJ DEAN VJはパーツの重なりを楽しむ

「JJ DEAN VJ」は、BASIC MOTO VJとは反対にパーツの存在がはっきりしたモデルだ。ウエストにはベルトを設け、ラペル部分にはスナップを配置している。

腰を横切るベルトによって全身の重心が明確になり、襟元のスナップもフロントへ視線を集める。黒一色でまとめられているため、ディテールが多くても色彩的には騒がしくならず、ライダースらしい密度だけが残る。

同じダブルライダースでも、BASIC MOTO VJの簡潔な腰周りと比べると違いは一目で分かる。素材やカラーを揃えた状態だからこそ、パターンとパーツが服の印象を決めることを実感しやすい。

価格は957,000円+税。サイズはS、M、L。



ベストが伝えるブランド初期の空気

「BASIC VEST 6 BUTTON ZIPPER TYPE」は、クロムハーツ創業当時から継続しているレザーベスト。ブランドの初期からレザーウェアが重要な存在だったことを感じさせる定番だ。

名称の通り、フロントには6つのボタンとジッパーを組み合わせる。ジャケットのような袖がないため、インナーの見える面積が広く、重ねる服によって雰囲気を変えやすい。

Tシャツの上ならレザーの力強さを直接見せることができ、厚みのあるトップスと合わせればレイヤードの奥行きが生まれる。プレーンブラックによって余計な色が入らないため、馬革とフロントパーツの構成がより明確になっている。

価格は602,000円+税で、サイズはS、M、L。

新品から数年後まで続く馬革の魅力

今回使われている馬革は、牛革と比べると産出量が少なく、希少な素材として扱われる。なめらかな表皮を持ち、新品時には黒の均一な質感を楽しめる。

ただし、馬革の魅力はそこだけではない。長年使い続けることで表面に独特の光沢が現れ、次第にヌメりを感じさせるような表情へ変わっていく。

革の変化はすべて同じように進むわけではない。着用頻度、身体の動き、保管方法によって艶や皺の入り方が変わり、一着ずつ異なる雰囲気になっていく。ロングセラーの形が変わらず残る一方で、素材の表情だけは所有者とともに変化していく。その組み合わせがクロムハーツのレザーウェアに独特の奥行きを与えている。

銀座で展開された3つの限定モデル

発売日は2017年1月14日(土)。価格は「BASIC MOTO VJ」が962,000円+税、「JJ DEAN VJ」が957,000円+税、「BASIC VEST 6 BUTTON ZIPPER TYPE」が602,000円+税で、3型すべてS、M、Lを用意した。

販売場所はドーバー ストリート マーケット ギンザ。住所は東京都中央区銀座6-9-5 ギンザコマツ西館。営業時間は月曜日から日曜日まで11:00~20:00で、問い合わせ先は03-6228-5080。

限定品だからといって、必ずしも目立つ色や大胆な変更が必要なわけではない。この3型は、長く続いてきたクロムハーツの定番をプレーンブラックへ置き換え、馬革の質感とパターンを静かに際立たせた。購入時の完成度だけではなく、数年後にどんな艶を帯びているかまで想像できることこそ、この限定シリーズの最も贅沢な部分だ。

2026年9月13日星期日

ロエベに宿る気だるい動物モチーフ

 ロエベ(LOEWE)の2026年秋冬ウィメンズコレクションに、どこか力の抜けた動物たちが入り込む。現代アーティスト、コジマ・フォン・ボニン(Cosima von Bonin)との協業から生まれたのは、バッグやスモールレザーグッズ、アクセサリーを横断するユーモラスなアイテム群だ。犬やヤドカリ、うさぎ、くじらといった生き物が、ロエベの端正なものづくりと意外な距離感で重なり合う。コレクションは2026年8月27日(木)より発売される。



動物たちが入り込むロエベの秋冬小物

ドイツ・ケルンを拠点とするコジマ・フォン・ボニンは、クジラやタコ、カニ、犬などを作品に登場させ、愛嬌と倦怠感が同居する独特の表現で知られるアーティスト。その感覚が今回、ロエベのレザーアイテムやジュエリーへと移し替えられた。端正なバッグの表面から動物が顔をのぞかせたり、機能的なパーツが生き物の一部へ変化したりと、ブランドのクラフトを土台にしながら、視覚的な遊びが随所に加えられている。

犬とヤドカリが寄り添うアマソナ180

中心となるのは、2026年春夏に誕生したスクエア型バッグ「アマソナ180」。上質なレザーによる柔らかな輪郭とワンハンドルを組み合わせた、ゆったりとしたフォルムを持つモデルだ。今回のコラボレーションでは、その整った造形に動物の存在を大胆に重ねている。

「アマソナ180 レイジー ドッグ ラージ」905,300円は、ブラックとイエローのバッファローレザーを組み合わせた一品。開口部にはバッグ本体と呼応するバイカラーの犬が横たわり、緊張感のあるレザーの造形へ、思わず視線を止めたくなる脱力した表情を添える。

さらに「アマソナ180 レイジー クラブ」744,700円では、鮮やかなオレンジのラフィア素材を背景に、くつろぐヤドカリのモチーフを配置。素材も色彩も犬モデルとは大きく異なるが、生き物がバッグに居場所を見つけたようなユーモアは共通する。いずれの動物モチーフも取り外しができ、単体のチャームとして使用できる点もポイントだ。バッグと一体で楽しむだけでなく、別のアイテムへ移して印象を変えることもできる。

内側に色を潜ませたフラメンコクラッチ

一見すると落ち着いた表情を見せながら、開いた瞬間に鮮やかな仕掛けが現れるのが「フラメンコクラッチ」だ。柔らかくしなやかなフォルムを持つバッグの内側には、インターシャ技法によって表現されたポップなチェック柄を配置。外観と内部の印象を切り替えることで、持っているときと中を開いたときで異なる表情が楽しめる。

フラメンコを象徴するドローコードにも、コジマ・フォン・ボニンらしい造形が潜む。コードの先端に取り付けられたのは、ヤドカリの爪を思わせるモチーフ。バッグ本来のシックな佇まいを崩し切ることなく、触れる部分へ意外性を加えている。展開価格は「フラメンコクラッチ」685,300円、「フラメンコクラッチ ミニ」612,700円となる。

銀色の爪を添えた財布とカードホルダー

アーティストの遊び心は、手のひらサイズのレザーグッズにも続く。「クロー コインカードホルダー」68,200円は、4つのカードスロットとジップ付きコンパートメントを備えた仕様。コンパクトなサイズの中に、カードと小物を整理できる機能をまとめている。

二つ折りタイプの「クロー コンパクト ウォレット」111,100円とともに、目を引くのはジップの引き手だ。通常の金具に代わり、ふっくらと丸みを帯びたシルバーのヤドカリの爪を採用。実用のために触れるパーツそのものが造形物となり、財布を開閉する動作にも作品世界が入り込む。カラーはカードホルダーがブラック、ビビッドオレンジ、ディープパープルの3色。ウォレットはブラックとビビッドオレンジの2色が揃う。



うさぎやくじらが装いのアクセントに

アクセサリーでは、動物の少しシュールな姿をより直接的に楽しめる。耳元には「コジマ バニー イヤリング」166,100円が登場し、うさぎの姿を小さなアクセントとして取り入れる。一方「コジマ チャーム ネックレス」665,500円は、くじらや犬など、色鮮やかな動物たちを複数連ねた華やかな構成。ジュエリーとして身につけることで、コジマ・フォン・ボニンの生き物たちがスタイリングの一部になる。

バッグチャームも揃う。「ブルドッグ チャーム」112,200円はフェルトとビーズを用い、ブルドッグの愛嬌ある姿を立体的に表現。このほか貝をかたどったバッグチャームも登場する。手持ちのバッグへ加えれば、普段のアイテムにも今回のコラボレーション特有のユーモアを持ち込める。

ロエベが培ってきたレザーの技術やアイコンバッグの造形と、コジマ・フォン・ボニンが描く少し気の抜けた動物像。その組み合わせは、ラグジュアリーな素材感を保ちながら、完成されたアイテムに意図的な親しみや可笑しさを差し込んでいる。バッグから小さな財布、ジュエリーまでを一つの世界観でつないだ今回のコレクションは、日用品とアートの距離を遊ぶようなラインナップに仕上がっている。

詳細
ロエベ×コジマ・フォン・ボニン 2026秋冬ウィメンズコレクション
発売日:2026年8月27日(木)

<バッグ>
・アマソナ180 レイジー ドッグ ラージ 905,300円
・アマソナ180 レイジー クラブ 744,700円
・フラメンコクラッチ 685,300円
・フラメンコクラッチ ミニ 612,700円

<スモールレザーグッズ>
・クロー コンパクト ウォレット 111,100円
・クロー コインカードホルダー 68,200円

<アクセサリー>
・コジマ バニー イヤリング 166,100円
・コジマ チャーム ネックレス 665,500円
・ブルドッグ チャーム 112,200円

問い合わせ先
ロエベ ジャパン クライアントサービス
TEL:03-6215-6116

馬革の変化を楽しむクロムハーツ限定作

  レザーウェアの面白さは、新品の状態だけでは判断しきれない。着用を重ねるうちに革が柔らかくなり、表面の艶が深まり、所有者の動きに合わせた皺が刻まれていくからだ。クロムハーツ(CHROME HEARTS)がドーバー ストリート マーケット ギンザで展開したDSMGエクスクルーシブ...